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週末編集長代理のレース回顧

週末編集長代理のレース回顧【有馬記念】

土曜日は朝から冷たい雨が降り、午後のレースから芝は稍重に。しかし、その雨も15時には止み、日曜日の天気は快晴。有馬記念を迎えるころには、馬場は良馬場へと回復していた。


まず注目されたのが、ここ2戦で出遅れが目立つルーラーシップの発馬状況。…しかし、今回はこの2戦よりもっとひどい出遅れで、大きく立ち上がるような仕草を見せたときにスタートが切られ、先頭から1秒弱、遅れて走行を始めた。恐らく、7~8馬身ほどのロスはあった思われる。また、ゴールドシップも行き脚がつかず集団から2馬身ほど置かれる形に。ファンからの、大きなどよめきに包まれての波乱のスタートだった。


まず先手を取ったのは、昨年の有馬記念と同じでアーネストリー。続いて同馬主のビートブラックがつけ、ルルーシュが単独3番手。ローズキングダム、スカイディグニティ、ダイワファルコンが好位を形成し、エイシンフラッシュ、トゥザグローリー、ダークシャドウ、トレイルブレイザー、オーシャンブルーが中団馬群。その後ろにナカヤマナイトが追走し、オウケンブルースリ、ネヴァブション、ゴールドシップが後方から。シンガリにルーラーシップで、以上の16頭が隊列を成した。1周目のゴール板を通過し、最初の1000メートルは60秒5。淀みのないラップでアーネストリーは引っ張った。各馬、折り合いはついていて、先頭からシンガリまでは15~6馬身ほどだった。


向正面に入ってもほとんど馬順は変わらず、僅かにルーラーシップがゴールドシップを交わしてナカヤマナイトらの集団に取り付いたくらい。ただ、ペースはそれほど緩んでおらず、各馬が3コーナーを迎える。ここでゴールドシップ=内田博騎手の手綱がしきりに動き、スパートを開始。しかし、この辺りのラップが12秒5→11秒9→12秒1なので、菊花賞のときのようにポジションは上がらなかった。それでも、先頭からは10馬身ほどの圏内に馬群がひと固まり。ゴールドシップは大外をブン回して、ちょうど中団馬群に取り付いた辺りで4コーナーを抜けていった。ルーラーシップはゴールドシップを行かせてから進出を開始。同じように外々を回り、中団後ろの位置取りで直線に向いた。


逃げるアーネストリーは一杯になり、ビートブラックやルルーシュも伸びてこない。前がヘバり、内がぽっかり開いたところをエイシンフラッシュが突っ込んでくる。馬場の真ん中からスカイディグニティ、ダークシャドもジリジリ伸びてきたが、外からゴールドシップが勢い良く加速。エイシンフラッシュが一旦、抜け出した形で先頭に立ったが、ゴールドシップの勢いが止まらずグングン伸びる。残り50メートル付近でエイシンフラッシュを交わし、そのまま先頭でゴール板を駆け抜けた。2着には、馬場の真ん中から坂を上がってから鋭く伸びてきたオーシャンブルーが入線。大外を回して急追したルーラーシップがゴール間際でエイシンフラッシュを交わし3着。スカイディグニティとダークシャドウの際どい5着争いは、僅かにスカイディグニティが前に出ていた。


スタート直後に後方で置かれ気味になったのは誤算だったが、ゴールドシップの競馬はほぼ思い描いていた通りの展開。勝ち時計の2分31秒9は水準級のものだが、1000メートル通過が60秒5で、次の1000メートルが61秒5。アーネストリーとビートブラックが淀みないペースを作ったおかげで、ゴールドシップにはおあつらえ向きのスタミナ勝負の消耗戦となったのが大きな勝因のひとつだろう。「チャレンジWIN5」の項でも少し書いたが、前日の雨でパンパンの良馬場にならず力の要る馬場になったのも良かった。しかし、ゴールドシップの上がり3ハロンはメンバー最速の34秒9。見た目以上に、速い脚を使っていたことになる。


思えば、ディープブリランテがスロー逃げた春の共同通信杯では、ゴールドシップは33秒3の末脚を使って勝っている。決してスタミナだけが秀でているワケではなく、スピードも兼ね備えているのだ。今回、パドックでは二人引き(神戸新聞杯や菊花賞はひとりで引いていた)だったが、本当にドッシリと落ち着いて周回しており、古馬の風格すら漂わせていた。506キロの馬体は、共同通信杯時と同じで自己最高体重。それでもまったく太目もなかったので、もっともっと成長できる可能性を秘めている。


…となると、こんな「スピードとスタミナ、馬力も十分」なタイプは、凱旋門賞にぴったりだと思うのは自分だけではないハズ。オルフェーヴル、ジェンティルドンナも出走予定だそうだが、ゴールドシップもいっそチャレンジしてもいいのでは、と思ってしまうのだ。恐らく、今回出走しているメンバーには、何度やっても勝てる。敵は、オルフェーヴル、ジェンティルドンナ、それとフェノーメノあたりだけだと個人的には踏んでいる。今後のローテーションはわからないが、ぜひ「海外」も視野に入れ今後の活躍に期待したい。


2着のオーシャンブルーは、スカイディグニティの内からスパッと抜けてきた。前走の金鯱賞で初重賞制覇を果たし、1戦ごとに力をつけてきたことを証明する走りだった。2走前のアルゼンチン共和国杯でも、位置取りと3~4コーナーの回り方ひとつで、ルルーシュらとの差はもっと詰まっていたのはわかっていた。ただ、ルルーシュとの物差しなら逆転するまでは思えず、この有馬記念で「劇走」するまでは思い描けなかった。ステイゴールド産駒の成長力に、素直に脱帽。


3着のルーラーシップは、やはり出遅れた。これも予想通りだったが、恐らく出遅れがなくてもゴールドシップには敵わなかったように思う。「レース展望」でも述べたが、やはり小回りの中山コースでは、あのトビの大きさと加速度は生きない。「これで引退するかも…」という報道も目にしたが、パドックでもまだまだ馬体は若く(今回は少し太かったが)来年も活躍は期待できそう。京都の外回り、つまり天皇賞・春なら坂の下りを利用して勢いがつくし、直線も長いので持ち味は十分引き出せるだろう。今年も、昨年も出走していなかったので、挑戦してもいいのではと思うが…。


4着のエイシンフラッシュは、何もせずに直線でインが開き、形としてはできていた。しかし、使える脚が短いのが同馬の特性。ミルコ・デムーロ騎手の急病で、三浦騎手が「テン乗り」で代打を務め最低限の仕事はできたが、もうふた呼吸くらい脚をためるくらいで丁度良かった。ただ、これは結果論。それ以上待つと前が塞がる可能性もあった。ギリギリの決断だったが、三浦騎手は間違った乗り方はしていなかっただろう。レースのアヤというべきか。


スカイディグニティは、ダークシャドウをハナ差抑えての掲示板確保。パドックでは徐々にイレ込んできたように見えたが、レースではしっかり折り合いはついていた。同馬もスタミナ勝負は望むところだったが、さすがに並み居る古馬勢相手に上位争いまではいかなかった。それでも、ゴールドシップとは0、6秒差。菊花賞時が0、3秒差だったし、今後の成長を考えれば内容は良かったのではないか。来春、パワーアップした姿を見たいものだ。


対抗に挙げていたルルーシュは8着。大外枠だがスンナリ3番手に収まったし、スタミナをロスするところもなかった。プラス12キロで514キロと、デビュー以来最高馬体重だったが太くは見えず、クビをグッと下げ気合乗りも上々に映った。それだけにこの敗戦は案外だが、まだキャリアは12戦。5歳を迎える来年の、更なる成長を待ちたい。


さて、これで今年の中央競馬はすべて終了。2013年の競馬、は1月5日(土)の東西の金杯で幕を開ける。とりあえずはこの1週間、しっかり充電をして来年に備えたいと思う。


では、皆さんよいお年を!

週末編集長代理のレース回顧【朝日杯FS】

土曜日の雨の影響で、前半4レースまでは稍重の馬場だったが、陽が差し気温も高めだったので午後からは芝コースも良発表となった。各馬が力を出せる馬場状態だった。


スタートは少しバラけたが、パトロールビデオで見るとテイエムイナズマが外にヨレ、コディーノと少し接触しているのがわかる。同様に、クラウンレガーロも外にヨレて、エーシントップ、ワキノブレイブが「玉突き事故」に遭う形に。出脚がついたクラウンレガーロが先頭に立つが、馬体が接触した影響かエーシントップが頭を上げ掛かるような形でクラウンレガーロと並んだ。外からマイネルエテルネルも内に切れ込みながら並走し、3頭が雁行してレースを引っ張った。この直後にロゴタイプがつけ、ネオウイズダム、フラムドグロワールが好位を形成。2馬身ほど馬群が切れてコディーノ、ノウレッジと続き、ラブリーデイ、ゴットフリート、ワキノブレイブまでが中団。ティーハーフ、ザラストロ、テイエムイナズマが後方から。


テンの3ハロン通過時点で、引っ掛かってしまったネオウイズダムが僅かにハナに立っていたが、ここで33秒9。過去10年の当レースで最も速く、朝日杯FS史上では2位タイに速いペースだった(1位はエイシンプレストンが勝ったときの33秒5)。半マイルが45秒4で、1000メートル通過が57秒3。淀みのないペースが続くが、それでも好位にいたフラムドグロワールは抑えが利かず掛かっていた。その真後ろにつけていたコディーノ=横山典騎手は、直線で進路がなくなるリスクや先行勢がバテると踏んで、3コーナー手前で進路を外に取る。すると、コディーノは行きたがる素振りを見せ、先頭集団に並ぶ勢いで上がっていってしまった。100メートルほど、そんな状態が続いたが、横山典騎手が懸命になだめ、3~4コーナーの間で何とか4番手集団に下げた。


直線に向くと、逃げるネオウイズダムの外からロゴタイプが満を持して追い出しを図る。その外、馬場の真ん中からコディーノも迫ってくるが、残り150メートルで先頭に立ったロゴタイプの脚色も衰えない。2頭が激しく叩き合ったが、ロゴタイプが序盤のリードを守りそのまま押し切って先頭でゴールした。一完歩ずつ、コディーノも差を詰めにきたが、クビ差及ばずの2着に終わった。勝ち時計は、マイネルレコルトのレースレコードとタイの1分33秒4。淀みのない流れだったので、中身の濃いレースレベルが高い1戦だったといえる。2馬身半差の3着には中団から伸びてきたゴットフリートが入り、内々から渋太く脚を使ってきたフラムドグロワールが4着。5着には、道中後方から馬群を割るように伸びてきたティーハーフが入った。


勝ったロゴタイプは、発馬を五分に決めスタート時に早々に馬群が縦長になったのが幸運だった。というのも、7枠14番という不利な外枠にもかかわらず、馬群がバラけたのでスッと4番手の好位に行けたからだ。そして、各馬が引っ掛かるところを、ミルコ・デムーロ騎手がガッチリ手綱を握り折り合いもピタリ。3コーナー手前でコディーノが外から上がって行くときも、まったくムキになるところもなくスタミナをロスすることなく走れた。直線入り口、コディーノは早々と横山典騎手の手が動いて追い出していたが、ロゴタイプは追い出しを我慢する余裕があったほど。ゴールまで抜かさなかったのは、この辺りの差が出たように思う。また、パドックではクビをグッと下げ、気合い乗りも抜群。デキの良さもあったのだろう。札幌2歳Sではコディーノに敗れたものの、早々にリベンジを果たした格好となった。


ちなみに、ロゴタイプの父・ローエングリンは、GⅠに16回挑戦(海外含む)したが2着が最高だった。少ない産駒の中から、自身が成し得なかったタイトルを獲得したのだから、何とも感慨深い。ロゴタイプの体型から、2000メートルまではもつと思うし、成長しだいでダービーや菊花賞も面白いかもしれない。


1、3倍という圧倒的1番人気に指示されたコディーノは、3コーナーで少し掛かったのが敗因だろう。ただ、断然の人気を背負っていただけに、内々でゴチャつくより広い外に出すのはむしろセオリーというべきもの。一度ブレーキを踏み、再度加速して勝てるほど甘くはなかったが、結果は完璧に乗ったロゴタイプが先着したということ。しかし、それでもロゴタイプとはクビ差で、3着以下には水を開けた形。改めて、コディーノの能力の高さを見せ付けたともいえるレース内容だった。ただ、今回は東スポ杯2歳Sのときより、パドックでも早く気合いが乗り過ぎていて、イレ込み気味だった。過去3戦で引っ掛かることがなかっただけに、初めて折り合いを欠いたのはこの辺りが影響したのかもしれない。まだ勝負付けは済んでおらず、来春での活躍はもちろん期待できる。


3着のゴットフリートは、馬群が切れたちょうど中団のインを進み、しっかり脚をためていた。初の重賞挑戦を考えれば、立派なもの。父ローエングリン、母父サンデーサイレンスというのは、奇しくも勝ち馬のロゴタイプとまったく同じ。同様の成長力が見込め、こちらも皐月賞までは距離の心配はいらないタイプ。クラシック戦線でも見逃せない存在だろう。


4着のフラムドグロワールは、速い流れの中でもちょっと行きたがっていた。それでも内々をロスなく運び、ゴール前でも後続を抜かせない走り。能力は示していた。過去3戦、馬群で揉まれた経験がなかっただけに、この1戦で学ぶことは多かったように思う。こちらは母シルクプリマドンナで、距離の融通は利くほうだろう。もうひと回り成長してくれば、先々まで楽しめそうだ。


5着のティーハーフは、いつも通り末脚に賭ける形で差を詰めてきた。函館2歳S3着とはいえ、500万を勝つのに時間がかかった上に近走のメンバーのレベルも大したことはなかった。それゆえ評価を落としたが、いつも確実に終いの脚を使うだけに相手なりに走りそうではある。ただ、小柄でバネのある走りをするので、短距離の差し馬という路線を歩んだほうが良さそう。ファルコンSや、NHKマイルC辺りに出てくれば、上位争いも可能だろう。


2番人気に推されたエーシントップは8着。スタート後にぶつけられ、馬がムキになってしまったのが敗因といえる。初のマイル戦でもあり、折り合いを欠いてしまってはこの結果もやむなしか。ただ、個人的に見たいのはダートの走り。ガッシリとした馬体でパワフルな走法なので、間違いなく合うと思うのだが…。恐らく、来春はまだ芝の重賞路線にいくだろうが、もしユニコーンSに使ってくるのであれば、大きく馬券勝負したいところ。


さて、いよいよ今年もあと有馬記念を残すのみ。ジェンティルドンナやオルフェーヴル、フェノーメノの姿もなく、ジャパンカップ時よりメンバーが落ちるのは残念ではある。皐月賞、菊花賞を勝ったゴールドシップ「1強」ムードもあるが、オッズ的に面白そうなのがこの馬かなと。

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…あ、月曜日の阪神カップもなかなか豪勢なメンバーでしっかり予想をしたいが、まずは有馬をビシッと当て最終日を迎えたい。

週末編集長代理のレース回顧【阪神JF】

週中に雨も降らず、パンパンの良馬場で行われた今年の阪神JF。


スタートはメイショウマンボ、カラフルブラッサム、トーセンレディ、アユサンが半馬身ほど出遅れたが、ほぼ全馬互角のスタート。内枠から飛び出したタガノミューチャンがハナを切り、クロフネサプライズ、サウンドリアーナがその直後。サンブルエミューズ、ストークアンドレイ、ディアマイバイビーが好位から続き、コレクターアイテムは中団の馬群の真ん中からの追走。中団後ろめにレッドマニッシュ、レッドセシリア、アユサンがつけ、カラフルブラッサムとトーセンレディが最後方からの競馬となった。タガノミューチャンは後続を引き付けるような逃げだが、テンの3ハロンが34秒1。これは、当レース過去10年で最も速いペース。かなり密集した馬群ではあったが、序盤から流れていたため各馬とも折り合いはついていて引っ掛かっている馬はいなかった。4コーナーでズラッと外に馬群が広がり直線へ。


逃げたタガノミューチャンの内をつくサウンドリアーナ、1頭分外に出したクロフネサプライズがタガノを捉えるが、サウンドリアーナのほうはここから伸びない。クロフネサプライズが早めに先頭に立ち、粘り腰を発揮。馬場の6~7分どころに出したコレクターアイテムがジワジワ伸びてきたが、差はそう詰まらない。替わりに伸びてきたのが、内ラチから3頭分外に出したローブティサージュだった。残り150メートル地点からクロフネサプライズと馬体を併せ、激しい追い比べ。更に内に進路を取ったレッドセシリアも猛追してきたが、ゴール板を先頭で駆け抜けたのはローブティサージュだった。クビ差の2着にクロフネサプライズが粘り切り、更にクビ差の3着にレッドセシリア。コレクターアイテムは4着までが精一杯だった。5着は、道中では最後方だったカラフルブラッサムが追い上げた。


ローブティサージュは、今回も4キロ馬体を減らし442キロと、デビュー以来体重を落としてきていた。ただ、パドックでは二人引きで落ち着きもあり、細く映ることもなかった。有力各馬が伸びあぐねる中、ひと追いごとにしっかり脚を使えた。レース上がりが36秒4で、自身の上がりが35秒9。思った以上にテンのペースが速くなり、スタミナの要る消耗戦になったのが勝因のひとつ。総じて、ウォーエンブレム産駒はキレ味よりこんなレースが得意な馬が多い。ブラックエンブレムの秋華賞しかり、エアパスカルのチューリップ賞しかり。シビルウォーやキングスエンブレムなど、ダートで活躍馬が多いのも血統的なものが大きいと思う。また「レース展望」でも少し触れたが、前走のファンタジーSは明らかに距離不足だったことも証明。桜花賞はもとより、オークスまで楽しめる素材だと思う。


2着のクロフネサプライズは、完全にノーマークだったがかなり渋太く粘り込んだ。前走のりんどう賞はテンの3ハロン35秒4の緩いペースでの逃げ切り勝ちで、1分21秒9という時計も平凡な部類。評価はしていなかったが、これも父クロフネからくる粘り強さが今回のペースとマッチングした感じ。「クロフネ産駒は牝馬に活躍馬が多い」はもう定説のようになっているが(カレンチャンやスリープレスナイト、ホエールキャプチャ等々)、今後もフロック視はできないかもしれない。最終追いを見ると、重い今の栗東の坂路で53秒6-13秒2はかなり優秀な部類だったし、今回プラス18キロで472キロでの出走だったが、まったく太目もなかった。15番人気の低評価を覆す好走だったが、逃げ・先行勢では唯一掲示板に載っているのも大したものだし、来春も要注目。


3着のレッドセシリアは、直線入り口で馬場の3分どころ→残り200メートルから内ラチ沿いを突っ込んできた。ためればキレる脚を使えるのはデビュー戦で証明済みなのだが、初戦はスローペースで勝ち時計が1分38秒9。メンバーのレベルに疑問があったので軽視していたが、道中からロスなく立ち回れたのが良かった。初の長距離輸送でマイナス10キロ。416キロと小柄な馬体だったが、気合乗りは抜群だったしいかにも「瞬発力のある牝馬」という体つき。1戦1勝の身での好走劇で、今後の馬体面での成長も含め注視していきたい。ただ、個人的にはオークスより桜花賞やNHKマイルC向きのように思う。


4着のコレクターアイテムは、1番人気に推されていたが直線では思ったほど弾けなかった。1~3着馬が馬場の内めを通ったのに対し、こちらは直線入り口でかなり外めを回ったのも響いた感じ。それでも、勝ち馬とは0、2秒差。悲観する内容ではないし、来春以降の活躍を期待したい。


5着のカラフルブラッサムは、スタートでやや出負けしたこともあり道中はシンガリからの追走。そこから、上がり35秒5とメンバー最速の末脚を繰り出しており、もう少し前めにつけれていれば…という内容だった。もっと距離が合ってもいいタイプなので、オークスあたりで面白いかもしれない。


本命に推していたアユサンは、直線大外からジワジワ差を詰めてきたが7着まで。終始、左を向くように走っており、初めての右回りに戸惑うような走りだった。中間、ウッドでも調教を積んでいたし、実戦でも問題ないと踏んでいたがキャリアの浅さが出た感じ。また、仕切り直して来年の成長を待ちたい。


2番人気だったサンブルエミューズは8着。道中は好位から、折り合いもついて手応え良く直線に向いたが、坂を上がる前に失速。早めの栗東滞在でプラス10キロと、体もふっくらして落ち着きもあった。まだ、逃げか追い込みという極端な競馬しかしていなかった馬。馬群に揉まれる競馬が初めてで、これもキャリアの浅さが出たのかもしれない。


3番人気だったサウンドリアーナは、ブービーの17着。2枠3番という枠を生かし、逃げるタガノミューチャンの直後につけ折り合いをつけていた。脚はたまっているように見えたが、ここまで失速するとは思えなかった。今回もプラス10キロで、デビュー時454キロだった馬体が492キロでの出走と、実に38キロも増やしてレースに臨んでいた。パドックでは太く見えなかったが、この短期間にこの馬体増は、やはり何らかの影響があったのかも。次走もパドックから注目してみたい。


さて、今週は2歳牡馬のGⅠ・朝日杯FS。コディーノ、フラムドグロワールの藤沢和厩舎2騎は超強力だが、穴っぽく攻めるならこの馬かなと。

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まだキャリアの浅い2歳戦だけに、波乱がないとはいい切れない。

週末編集長代理のレース回顧【ジャパンCダート】

心配されていた雨も降らず、良馬場で行われた今年のジャパンCダート。


まず注目のスタートは、扉が開く前にイジゲンがガタガタし始め早くも怪しい雰囲気を出すと、イジゲンは上に飛び上がる形でアオって2馬身ほど置かれてしまった。また、ナムラタイタンもガクンと躓き後方からの競馬。トゥザグローリーもやや出負けしていた。そして、ハナ争い。押して押して、出ムチを入れながらトランセンドが行こうとするが、スピードになかなか乗っていかない。替わりに、2枠4番のエスポワールシチーがスーッと上がっていき、1コーナーを曲がる前には難なく先頭に立っていた。2番手にホッコータルマエ、トランセンドと続き、直後にニホンピロアワーズとワンダーアキュートが併走。中団辺りの位置取りにシビルウォー、グレープブランデー、ローマンレジェンドがつけ、その後ろにナムラタイタン、イジゲンらが追走。最後方からハタノヴァンクールといった隊列。前半の1000メートルは59秒8で、昨年、一昨年のトランセンドが60秒9、60秒0でそれぞれ逃げていたから、それよりいくらか速いペースで流れていた。2番手集団を3馬身ほど離しての逃げで、エスポワールシチーの形としては良く見えた。


3コーナー過ぎに後方集団が前との差を詰め始め、ここで外から上がっていったのがトゥザグローリーとグレープブランデー。イジゲン、ハタノヴァンクールも大外から進出。4コーナーで馬群は12、3馬身ほどの中に固まり、直線へ向いた。


エスポワールシチーの脚色は鈍り、先に先頭に立ったのはホッコータルマエ。ただ、その外にいたニホンピロアワーズはまだ持ったままの手応えでホッコーに並びかける。後ろからはローマンレジェンド、ワンダーアキュートも伸びてきたが、残り150メートル地点でニホンピロアワーズが追い出すと、一気に後続とのリードを広げていった。あとはもう、ニホンピロアワーズの独壇場で、激しい2着以下の争いを尻目に真っ先にゴールに飛び込んだ。ジリジリと最後まで伸びてきたワンダーアキュートが2着に入ったが、その差は3馬身半。完勝、といえるものだった。3着には前々から渋太く粘り込んだホッコータルマエが入り、4着にはローマンレジェンドが入線。5着がグレープブランデーだった。


しかし、ニホンピロアワーズがここまで強い競馬をして勝つとは、正直思わなかった。確かに、前走のみやこSでは他馬より重い58キロでの出走でローマンレジェンドと同タイムの2着で、1キロ減の今回はいいとは思っていた。ただ、上がり3ハロンは36秒0とメンバー最速で、先行馬にこの脚を使われては後続は成す術がない。また、勝ち時計の1分48秒8は同レースのレコードタイム。同競馬場のレコードが1分48秒5(サカラート)だが、このときは重馬場での記録で脚抜きのいい馬場だった。今回は、乾いた良馬場で行われてのものだから、かなり優秀なものといっていい。5歳馬ながら、まだキャリアは22戦。昨年の暮れに名古屋グランプリ、今年3月に名古屋大賞典で交流重賞を制覇し力をつけてきたが、これがJRAの重賞初勝ち。まだまだ伸びしろはありそうだ。フェブラリーSでは若干、距離不足かもしれないが、もし来年使ってくるようなら、無視できない存在になりそうだ。


2着のワンダーアキュートは、ニホンピロアワーズを見る形でレースを進めていたが、直線でアッという間に突き放されてしまった。前走、JBCクラシックでマイナス21キロの馬体が、今回はプラス21キロ。太くはなかったし、単純に戻ったものとみてもいいが、反応などを見ると少し増えすぎてしまったのでは、という気もする。昨年はゲートで躓きながら2着だったが、今年は正攻法の競馬をして2着。もちろん、ワンダーアキュートも昨年より力をつけてきていたが、勝ち馬がそれを上回ったということだろう。相手を褒めるしかない。


3着のホッコータルマエは、最後までよく踏ん張りとおした。レパードSでも、同じように直線で早めに先頭に立ち2着のナムラビクターを振り切ったが、形としてはこういった渋太さを生かす競馬が合っている。2着ワンダーアキュートとは半馬身差だし、今回は時計も速すぎたということか。ただ「強い3歳世代」の格好は、一応つけた。来年以降の活躍に注目したい。


ローマンレジェンドは4着止まり。3コーナー過ぎの手応えがあまり良くなく、直線に向いても前走のみやこSで見せたような爆発的な伸びは見られなかった。パドックではクビをグッと下げ気合乗りも上々。状態は良さそうにみえた。中京のダート1800メートルのレコードホルダーだし、エルムSでの時計も速かったことから、敗因は時計ではないと思うが…。騎乗停止で岩田騎手からミルコ・デムーロ騎手に乗り替わったのも、もしかしたらいくらか響いたのかもしれない。


5着グレープブランデーは、3~4コーナーでスーッと上がっていき、そこから流れ込んだ形。ただ、以前よりだいぶ首を使って走るようにはなってきていて、ようやく復調ムードがうかがえた。あとはこのまま順調に使っていけば、来年の重賞戦線でも戦えるだろう。


2番人気だったエスポワールシチーは、直線入り口でホッコータルマエに並びかけられるとすぐに失速。結果は10着だった。速いペースで行くのが同馬の持ち味だし、落馬負傷の佐藤哲騎手から武豊騎手に乗り替わった影響は、さほどないように思う。ただ、粘り切れないのは、もう往時の勢いはないということか。


同様に、トランセンドも衰えが見えてきたように思う(結果16着の最下位)。今年のフェブラリーSのときから怪しかったが、以前よりかなりズブくなっていてテンの行き脚がまったくつかないのだ。外から被されたり、馬群で揉まれると競馬をヤメてしまう面があるので、逃げられなくなったのはかなり厳しい。引退、の文字も浮かぶ。


期待したイジゲンは、やはり課題のゲートで出遅れ結果はブービーの15着。練習では大丈夫だったというが、やはり客の前で走る実戦の雰囲気は独特のものがあり、練習通りとはいかないのだろう。上位入線馬が、いずれもロスのない競馬をしているのだから、これで勝てるほどGⅠは甘くないということ。いろいろな面での、成長が待たれるところだ。


さて、今週は2歳女王を決める阪神JF。昨年のジョワドヴィーヴル、4年前のブエナビスタは1勝馬の身で抽選をくぐり抜けての勝利。今年もオツウなど1勝馬で抽選対象だが出走できれば勝負になりそうな馬もいる。まずは木曜日の出馬投票に注目だが、個人的に今の段階で「いいね!」と思っているのはこの馬。

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枠順によっても予想は変わりそうなので、難解な1戦となりそうだ。

週末編集長代理のレース回顧【ジャパンC】

朝から晴れ、清々しい気候の下で行われた今年のジャパンC。好メンバーが揃っていたので、東京競馬場にも多くの人が詰め掛け熱戦が繰り広げられた。


スタートは、今回もルーラーシップが出遅れ。外国馬のジャッカルベリーもアオる感じで後方からの競馬となった。まずは、ビートブラックが最内枠を生かしてハナを切る。トーセンジョーダンが2番手につけ、直後の最内にジェンティルドンナ。その後ろにフェノーメノとソレミアが並び、エイシンフラッシュ、ローズキングダムが中団。オルフェーヴルはこの後ろにいて中団~やや後方の外めを追走していた。出遅れたルーラーシップも向正面では内めをスルスルと上がっていき、このあたりの位置取りに。ダークシャドウ、ジャガーメイル、メイショウカンパクが後方を進んだ。前半の1000メートルが60秒2。超スローペースにはならず、平均的なラップをビートブラックは刻んだ。


ただ、ビートブラックは3コーナー過ぎに石橋脩騎手の手が動き、後続との差を広げにかかる。欅の手前では、2番手のトーセンジョーダンに5~6馬身ほどリードを取り、早めのスパートを開始。そのあたりから、オルフェーヴルも馬群の外を進出してきて、4コーナーではソレミアと並ぶ形で3、4番手集団にまで押し上げて直線に向いた。


やや内に切れ込みながらオルフェーヴルが伸びてきて、ビートブラックを捉えにかかる。ただ、そこで内々のラチ沿いを進んできたジェンティルドンナも伸びてきた。前のビートブラックを避ける形でジェンティルドンナは外に出したが、そこでオルフェーヴルと接触。それでも、ジェンティルドンナ=岩田騎手が激しく追う。対するオルフェーヴル=池添騎手も何とか体勢を立て直し必死にムチを入れる。残り100メートル、2頭の激しい叩き合いが続き、先に前に出たジェンティルドンナが、そのままオルフェーヴルの追撃を振り切り、ハナ差で勝利となった。オルフェーヴルは悔いの残る2着に終わった。


パトロールビデオを見てもわかるが、明らかに岩田騎手は強引に外に出していった。馬体も完全に接触しており、一歩間違えば落馬の危険もあったほど。20分以上の長い審議の末、結果は「着順は入れ替わらないが、危険な騎乗だったので岩田騎手は2日間の騎乗停止」という、最も意味のわからない制裁。池添騎手が「納得のいかない判定」とコメントしていたのも、当然だろう。バランスを崩してから追い直したわけだし、着差がハナ差。悔しさはハンパなものではないだろう。…まぁ、脚色から、ジェンティルドンナも並んだら交わさせない感じだったので、あの斜行がなくても着順は変わらなかったかもしれない。しかし、明らかに妨害があったのは確か。ちょっと、後味の悪い結果となってしまった。


それでも、ジャパンCの歴史で、3歳の牝馬が勝ったのは初めて。史上4頭目の「牝馬三冠」を達成したジェンティルドンナだったが、また新たな歴史の1ページを書き加えたことになる。この「実力」は、評価できると思う。当日はマイナス14キロの馬体重でも細くは見えなかったが、秋華賞で見せたときのような迫力は正直感じなかった。それでの勝利なのだから恐れ入る。年内は休養して、来年は海外競馬を視野に入れているとの話だが、マイルから2400メートルまでこなせるスピードと持久力は、底が知れないものがある。もしかしたら、来年の凱旋門賞で再度オルフェーヴルと再び対決、ということも十分ありそうだ。世代や性別の壁を越えて、どこまでも突き進んでいってもらいたい。


オルフェーヴルは、ほぼ完璧な競馬をしながら2着。大外の8枠17番という不利でも、折り合いはついていたし3~4コーナーで差を詰めていったのも正解。ぶつけられる不利も跳ね返したのだから、一番強い競馬をしたのはオルフェーヴルだろう。凱旋門賞のときも、そうだった。ちょっと、運には見放されているが、海外帰りでも馬体重は宝塚記念時よりプラス2キロの458キロでの出走。二人引きでクビをグッと下げ気合が乗っていたし、状態面での不安はまったく感じなかった。まだ馬体も若く、来年以降も活躍は期待できる馬。まずは今年の有馬記念で、この鬱憤を晴らしてもらいたい。


3着以下には触れていなかったが、3着には出遅れて直線でもお大外を通ってきたルーラーシップ。天皇賞・秋でも出遅れ、直線大外に持ち出し上がり3ハロンがメンバー最速(32秒7)。レース振りは、前走時とまったくといっていいほど同じだった。ただ、マイナス8キロと馬体はキッチリ絞れており、キビキビと歩き気合も現れていた。しかし、以前はゲート難もなかったが、ここ2戦がちょっと目につくことはつく。有馬記念に出走予定とのことだが、中山の2500メートルはトリッキーで直線だけの競馬だと好走するのが難しいコース形態。一定以上の評価は、しないつもりだ。


4着にはダークシャドウが入った。道中は後方から進み、4コーナーで大外。ルーラーシップと馬体を併せるように伸びてきた。ルーラーシップにはアタマ差届かず、1・2着には2馬身半差。「レース展望」でも触れたが、このあたりのメンバーに入るとややパンチ不足の感もある。GⅡレベルなら、2つ3つは獲れると思うが…。


5着にはフェノーメノが入線。道中は好位から、直線でもいい手応えできたと思ったが、追い出してもグングンとは伸びてこなかった。パドックではいつもより少しイレ込んでおり、蛯名騎手によれば「1コーナーで他馬(スリプトラ)と接触してハミを噛んでしまった」とのことだが、この「ちょっとした力のロス」が最後の叩き合いに出たように思う。ただ、まだ3歳馬。今後の伸びしろに期待したい。


ちなみに、外国勢はレッドガドーの8着が最高で凱旋門賞馬のソレミアは13着。近年は一流馬の参戦がなく、日本馬同士で上位を争っているのが実情でもある。今年で32回目となったジャパンCだが、何らかの「転換期」を迎えているのかもしれない。


さて、今週はジャパンCダート。こちらは3年連続で外国馬の出走がなく、過去12年で外国馬の優勝馬ですら1頭という状況。ジャパンCより、もっと見直しが必要(時期や開催場所など)だと思われるが、日本馬のラインナップは豪勢。佐藤哲騎手の落馬、岩田騎手の騎乗停止でエスポワールシチー、ローマンレジェンドの鞍上が替わるのは残念だが、それでもレースはハイレベルになるだろう。今のところ、本命候補はこの馬。

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まだ時間はあるので、レースを見直し週末の予想に備えたいと思う。


…あ、あと「WIN5」もキャリーオーバーが発生して配当が「割り増し」されるので、こちらの予想にも力を入れたい。

週末編集長代理のレース回顧【マイルCS】

土曜日に降り続いた雨の影響で、日曜日は不良馬場で1Rがスタート。しかし、スッキリ晴れていて陽も降り注いでいたので、馬場もグングン乾いていきマイルCSのころには稍重までに回復。道悪適性はあまり関係ない馬場でのレースとなった。


スタートはファイナルフォームが出負け気味で、シルポートが好発を決める。まずはいつも通りシルポートが逃げ、2番手にコスモセンサー、エイシンアポロンが続き、リアルインパクト、ガルボ、グランプリボス、サダムパテックが3番手の集団。ストロングリターン、ファイナルフォームらが中団で、サンカルロはいつもより前めの競馬で中団のイン。レオアクティブ、マルセリーナ、フラガラッハが後方。前半の3ハロンは35秒0で通過。これは、同じく稍重馬場で行われ、シルポートが逃げた昨年のマイルCSより0、6秒も遅く、同馬にとっては珍しい形の「タメ逃げ」で、後続とのリードも2馬身ほどしかなかった。サダムパテックやグランプリボスあたりは何とかなだめるという風で、ちょっと折り合いに苦労する場面もあった。先頭から最後方まで17~8馬身くらいの圏内で馬群も密集気味。あまり隊列は変わらず直線へ。


シルポートが逃げ込みを計る中、内ラチ沿いを通っていたコスモセンサーが苦しくなり外にヨレる。同時にエイシンアポロンも外にヨレ、馬場の3分所に出していたサダムパテックも外に張った。すると、その外にいたガルボ、リアルインパクト、グランプリボスが「玉突き事故」のような形で外に振られ、大外にいたダノンシャーク、ファイナルフォーム、アイムユアーズも内からこられて体勢を立て直す不利。内ではまだシルポートが頑張っているが、すぐさま体勢を直して追ってきたのがサダムパテックだった。馬場の真ん中を突っ切り、シルポートを交わす。残り100メートルでグランプリボスも急追して馬体をサダムパテックに併せてきたが、クビ差届かずサダムパテックが優勝。グランプリボスは2着までで、3着には4コーナーで大外に持ち出し、直線で内に切れ込みつつ伸びてきたドナウブルーが入った。シルポートは4着に残り、ジリジリ伸びてきたリアルインパクトが5着。


サダムパテックは、朝日杯FS4着、皐月賞2着、菊花賞5着などGⅠにはあと一歩届かない競馬をしていたが、これが嬉しい初GⅠ制覇。勝因は、道中はラチ沿いの内々でロスなく立ち回り、直線で馬場の中ほどを選んだことだろう。馬場が乾き始めるときは、内側から乾いていくのが普通。ただ、内の芝は荒れているので、乾いた部分と荒れた部分のちょうど「境目」あたりが、一番ロスがなくかつ馬が伸びてくるコースなのだ。それを、武豊騎手はズバリと読み、巧くサダムパテックをエスコートできた。内から寄られる不利がありながら、被害を最小限に抑えすぐに追い出せたのも良かった。久々に「武豊マジック」を見た思い。素直に、好騎乗を褒めるべきだろう。


反対に、不利の被害が大きかったグランプリボスは、よく追い上げてきたが僅かに届かなかった。メンバー最速タイ(11着のマルセリーナと)の上がり34秒0の脚は使っており、恐らく不利がなければ勝っていたレース。陣営の悔しさも推して知るべし。「レース展望」で触れたが、この日も馬体の見栄えは素晴らしく、気配は抜群に良かった。次走は香港とのことだが、今回の悔しさをバネにしてぜひ海外GⅠ制覇を、と願う。


3着のドナウブルーは、プラス2キロと少し体を回復させパドックでも落ち着き払ったいい周回をしていた。道中はグランプリボスと同じ位置につけ、直線は大外。内で各馬がゴチャついたときに、僅かながら前に出ていたのが功を奏して、不利を受けなかったのが良かった。小柄な馬だけに、内からぶつけられていたら、致命傷になっていただろう。関屋記念を勝っているが、京都コースでは全5勝中4勝を挙げており、直線が平坦なコースだとやはりキレ味が増す。まだ4歳だし、来年以降の活躍も十分見込める。


4着のシルポートは、いつもとは違う逃げをしたがこの形でも踏ん張れたのは収穫。同じく稍重で行われた、同舞台の4走前のマイラーズCと同タイムで駆け抜けているので、自身の力は出せたとみる。小牧騎手の落馬負傷により、今回は川田騎手がピンチヒッターとなったが、最低限の仕事はできたといえる。…ただ、個人的にはシルポートはやはり「離し逃げ」をして後続に脚を使わせる競馬がベストだと思っている。近年の「スローペース症候群」の逆をいく、貴重な存在。レースが引き締まり、全馬が能力を出し切れる「速いペースでの逃げ」を、次走以降は期待しているのも確かである。主戦の小牧騎手の、早い復帰も待たれる。


5着にはリアルインパクト。道中、直線はサダムパテックと並ぶ形できて、いくらか不利も受けていた。しかし、馬体を併せていたサダムパテックが伸びていくところ、同馬はスッと引き離され反応できたなかった。大勢が決した最後の30メートルほどでまたひと脚使ってチョロチョロ伸びてきたが、時すでに遅し。前走時からマイナス8キロと馬体も絞れ、気配も上々だったが一押しがきかなかった。地力強化が今後の課題。


…しかし、振り返れば2年前の朝日杯FSの1・2・4着馬が2・5・1着。このラインには気づかなかった。


本命を打ったファイナルフォームは、不利を受けて12着に惨敗。マイナス2キロと馬体もきっちり絞れ、デキは良さそうに見えた。しかし、同馬はまだキャリア7戦目。来年以降の活躍に期待したい。


また、一大勢力となっている3歳勢はアイムユアーズが10着、ファイナルフォーム12着、レオアクティブ15着と枕を並べて討ち死に。「レース展望」でも触れたが、今のマイル路線は層が厚かったということだろう。今後の予想に役立てたい。


さて、今週は豪華メンバーが集まるジャパンC。オルフェーヴルVSソレミアの凱旋門賞のリベンジ。天皇賞・秋で復活を果たしたエイシンフラッシュ。「牝馬三冠」ジェンティルドンナの出走と話題に事欠かないが、現段階で本命候補なのはこの馬。

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最終的には追い切りを見てから判断したいが、好レース間違いなしのメンバーなので今から当日が待ち遠しい。馬券を離れても、楽しめそうなレースだと思う。

週末編集長代理のレース回顧【エリザベス女王杯】

京都競馬場は朝から降り続いた雨のため、レースは重馬場で行われた。


まず先手を取ったのは大方の予想通りレジェンドブルー。2番手にマイネジャンヌがつけ、オールザットジャズ、ヴィルシーナが好位集団を形成。中団にホエールキャプチャが追走し、フミノイマージン、エリンコート、ピクシープリンセスが後方から。1000メートル通過が62秒4。馬場状態を考えれば、そう遅いペースではなかった。レースに動きがあったのは3コーナー手前。ここでエリンコートが馬群の外から一気に進出し、先頭に並びかける勢い。ヴィルシーナの鞍上、内田博騎手の手も激しく動き、これに追随する構え。併せてオールザットジャズも動いていき、直線へ。


レジェンドブルーが一杯になり、早くもオールザットジャズが先頭。フミノイマージンは内々を回ってくるが、いつもの伸びはなし。馬場の真ん中から突っ込んできたのがヴィルシーナとラシンティランテ。ただ、ラシンティランテは残り200メートルで後退し、変わって伸びてきたのがレインボーダリア。ヴィルシーナと馬体を併せて叩き合い、粘り込みを計っていたオールザットジャズを交わす。大外からピクシープリンセス、マイネオーチャードもグイグイ伸びてきたが、ヴィルシーナとの叩き合いを制したレインボーダリアが初重賞勝ちをGⅠの大舞台で飾った。大外から猛追したピクシープリンセスは、勢いでは勝っていたが2着のヴィルシーナにはアタマ差届かなかった。4着にマイネオーチャードが喰い込み、オールザットジャズが5着。3番人気だったホエールキャプチャは10着で、2番人気に推されたフミノイマージンは11着に終わった。


レインボーダリアは、ここ2戦の府中牝馬S、クイーンSでは外枠の不利が大きく、今年のヴィクトリアマイルでも8枠17番と枠順に泣かされてきた。ただ、今回は雨の影響で内側が荒れており、フミノイマージンが伸びなかったのはそのせいが大きい。レインボーダリアにとって、今回は大外枠が味方した格好になった。また、未勝利戦を勝ち上がったときが重馬場で、力の要る札幌の洋芝の1800メートル戦で、昨年レコードを記録(1分46秒4)。こういったタフな馬場は得意としている。更にいえば、途中でエリンコートがマクっていき、3コーナー過ぎからペースが上がったのも良かった。それが最後の半マイルから11秒9-11秒5-12秒5-12秒4という数字に表れているが、キレ味より持久力を必要としたレースだったのは明白。レインボーダリアには「枠」「馬場」「展開(流れ)」がすべて向いた、最高の舞台設定であった。


ヴィルシーナは、またしても「銀メダル」。マイナス2キロだったが、落ち着きもあり秋華賞の反動も特に見られなかった。どうにも歯痒い競馬が続くが、今回は3コーナー過ぎにペースが上がったときに、一瞬置かれるようになる苦しい形だった。それでも、持ち前の勝負根性でラシンティランテやレインボーダリアと馬体が併さると、しっかり伸びてきた。レインボーダリアを差し返すようなところもあったし、今回は勝ち馬にすべてが噛み合ってのもの。3歳馬の代表として、古馬とも堂々と渡り合えたのは評価していい。故障さえなければ、来年のヴィクトリアマイルあたりでも上位争いは間違いない。


3着のピクシープリンセスは、準オープンの身ながら健闘。ミルコ・デムーロ騎手の腹を括った騎乗と、荒れていない大外の直線強襲が功を奏した。パドックでは二人引きながらややイレ込んでおり、あまり良くは見せなかったが、デビュー以来2番目に重い450キロでの出走と、ここにきて馬体面で充実してきているのだろう。次走以降も要注目。


4着のマイネオーチャードも準オープンの身。しかし、今年の6月には次戦のマーメイドSを勝つグルヴェイグ(既に引退)の2着があり、それなりの下地はあった。キレ味勝負なのでこんな馬場がいいとは思えなかったが、柴田大騎手の必死の追いっぷりでよく差を詰めてきた。直線の長いコースなら、常にマークが必要。


5着のオールザットジャズは、14キロ体を増やしやっといい頃の状態に戻ったように見えた。ただ、3コーナー過ぎにエリンコートが動いてきたのが誤算。あれで早めに出さざるを得ず、直線入り口で先頭という形になってしまった。もう少し、タメを作りたかったのが川田騎手の本音だろう。他馬と併せるところもなく、あれで粘り切るのは難しい。ただ、復調気配はやっとうかがえた。来春の牝馬重賞路線に出てくれば、勝ち負けできるハズ。


惨敗となってしまったホエールキャプチャは、これという明確な敗因がよくわからない。オークスでこんな馬場はこなしているし、昨年4着の経緯からコースや距離も不問。栗東に滞在し、調教の動きや時計も良かった。前走からの一変を期待したが、ヴィクトリアマイルを勝ったときのような走りはできなかった。何かの際に書いたが、牝馬は一度成績が落ち込むと、なかなか調子が上がってこない馬が多い。ホエールキャプチャも、これに当たるのかどうか…。


あと、フミノイマージンは馬場に泣いたクチ。直線でも外はズラッと馬群が密集し、いいところに出せなかった。こちらは、明確な敗因がある。二人引きのパドックでは引き手を引っ張るくらいの気合で、馬体もまだまだ若い。来年も、活躍は見込めると思う。


さて、今週はマイルCS。昨年の当レースを勝ったエイシンアポロンや、昨年の安田記念の勝ち馬リアルインパクト。今年の安田記念を勝ったストロングリターンなどマイル路線の有力馬が揃って出走してくるが、個人的に注目をしているのは前哨戦で好走したファイナルフォーム。


エリザベス女王杯も(何とか)的中したので、引き続きいい予想を送りたい。

週末編集長代理のレース回顧【アルゼンチン共和国杯、みやこS】

まずは東京で行われたアルゼンチン共和国杯から振り返りたい。


スタートは全馬、ほぼ一斉で横並び。大方の予想通りミッキーペトラが逃げ、そこから4馬身ほど離れてイケドラゴンが2番手。直後にルルーシュとビートブラックがつけ、マイネルキッツ、マイネルマークの兄弟が好位~中位勢を形成。ギュスターヴクライとムスカテールもこの辺りにつけ、オウケンブルースリ、オーシャンブルーが後方から。1000メートル通過が59秒5だからペースは平均。3コーナー過ぎから2番手以下も逃げるミッキーペトラとの差を詰め、直線へ。


後退するミッキーペトラを尻目に、早くもルルーシュが先頭に立つ。内めから伸びてくるのがビートブラック、マイネルマークで、馬場の真ん中からギュスターヴクライとムスカテール。大外からはオウケンブルースリとオーシャンブルーが差を詰めにかかるが、坂を上がってもルルーシュの伸び脚は衰えない。むしろ、後続との差を広げてルルーシュが余力残しで優勝となった。2着にはムスカテールが入り、激しい3着争いは最後にマイネルマークが差し、4着にビートブラック。追い上げも届かずオーシャンブルーは5着。ギュスターヴクライは脚色一杯になり6着に沈んだ。


勝ったルルーシュは、前走のオールカマーで10キロ増やした馬体を16キロ絞り、502キロでの出走。元より見栄えする体だが引き締まった馬体で、厩務員が1人で引いていたが、気合も乗って気配は良かった。勝ち時計の2分29秒9はレース史上最速で、オペラシチーがもつレコードから0、1秒差と時計、内容ともに優秀なものだった。「レース展望」で述べたが、やはりオールカマーではスムーズな競馬ができなかったのが敗因だった。早めに押し切る強気の競馬で、この形なら存分に能力を発揮できた。平均的なペースで、自身の上がり3ハロンが34秒5。このメンバーで、これについてこれる脚を持った馬はいなかった。鞍上、横山典騎手のゴール後のガッツポーズは、まさに「会心の騎乗」が実ったからだと思う。1年超の休養を挟んだため、4歳馬ならがこれがまだキャリア11戦目。今後も順調なら、もっと上も目指せるかもしれない。


2着のムスカテールは、じっくり脚をため4コーナーでは好位集団にまで押し上げてきていた。そこから、メンバー最速タイの上がり34秒2を使ったが、ルルーシュには1と2分の1馬身届かなかった。ただ、やはり左回りの走りはスムーズで、3着には2馬身以上の差をつけていたので、これは相手が悪かったとしかいいようがない。GⅠ級ではないが、この路線の重賞なら手が届く位置にはいると思う。


3着のマイネルマークは、まだ準オープンの身ながら健闘した。最後はビートブラックとの斤量差(52キロと59キロ)で3着にきたという面はあるが、それにしても渋太く伸びてきた。馬体重が前走のマイナス22キロからからさらに2キロ減らして458キロ。パドックであまり良くは見せなかったが、前走時よりいくらか落ち着きはあった。気性や馬体も考えれば、今後の伸びしろは言わずもがな。兄のマイネルキッツのような晩成血統を見事に踏襲しており、今後に注目。


ビートブラックは京都大賞典を裂蹄で取り消し、一頓挫明けでのレース。体重はマイナス4キロと発表されていたが、見た目に腹回りに緩さもあり仕上がり途上に思えた。それでも、内々からジワジワ伸び4着。ゴール前では舌がハミを超えていて苦しそうだったし、何といっても今回は59キロの酷量。地力の高さは存分に見せた。次走以降の変わり身は必至。


5着のオーシャンブルーは、ムスカテールと同じ最速タイの上がりを使ったが、さすがに道中の位置取りが後ろすぎたし、4コーナーでも大外を回るロス。これでは届くわけがない。それでも3着のマイネルマークとは0、2秒差。オープンでもやれる力は見せたし、相手ひとつでは今後も上位争いに絡めるハズだ。


6着だったギュスターヴクライは、直線で内にモタれ最後は脚が上がっていた。58キロが応えた、くらいしか敗因を特定できなかったが、レース後に右前浅屈腱不全断裂が判明。競走能力喪失と診断された。まだまだ活躍が見込めそうだっただけに、残念でならない。


さて、次に京都で行われたみやこS。こちらは、ローマンレジェンドが見事に6連勝で重賞2連勝を飾った。


レースはホッコータルマエが好発を切り先頭をうかがいかけるが、外からサンライズモールがハナを主張。ニホンピロアワーズ、ホッコータルマエが先行し、ローマンレジェンド、グレープブランデーは好位~中団という位置取り。ナイスミーチュー、ファリダット、ハタノヴァンクールは後方からとなった。1000メートル通過が59秒9。ほぼ平均ペースでレースは流れた。ハタノヴァンクールは、いつも通り3コーナー手前から仕掛け始め、中団にまで押し上げて直線に向いた。


先に抜け出しを計ったニホンピロアワーズとホッコータルマエが激しい叩き合い。直後にローマンレジェンドが迫るが、前にはその2頭、外にはグレープブランデーがおり進路がない状態。それでも、ローマンは半ば強引にニホンピロとホッコーの間に馬体をねじ込み、グイグイ急追。ゴール前ではキッチリと2頭を交わしゴールした。ニホンピロアワーズが2着で、ホッコータルマエは最後に力つき3着となった。


ローマンレジェンドはギリギリでの勝利だったが、スムーズだったらもっと楽に突き抜けていたハズ。それくらいの脚はまだあった。プラス2キロと馬体は仕上がっていたが、時折り厩務員に甘えるような仕草を見せ、集中力に欠けている印象もあった。ただ、レースでは闘争心ムキ出しで最後まで走るのだから頭が下がる。勝ち時計の1分49秒6も優秀で、トランセンドやエスポワールシチーらが揃うジャパンカップダートが、本当に楽しみだ。


ニホンピロアワーズは、自身の持つ渋太い脚を余すところなく発揮した。馬体を併せる形になったのも奏功した。…恥ずかしながら予想では抜けとしたが、58キロを背負ってこの2着は価値が高い。まだまだ息の長い活躍が見込めそうだ。


ホッコータルマエは、マイナス6キロと馬体は仕上がっていた。直線ではいったん先頭に立ちかけるところもあり、力は見せた。立ち回りが巧く、先行力もあるので大崩れはしないタイプ。今後も要注目。


ハタノヴァンクールは、ダートでは初黒星となる10着に敗れた。展開が向かなかったのはあるが、自身の上がり37秒7はいかにも平凡。道中ズブいのはいつものことだし、外々を回らされるのも毎回のこと。ちょっと情けない敗戦だった。パドックでは落ち着き払った周回で、風格すら漂わせて良く見えた。休み明けが影響したとも思えず、難しいタイプの馬だ。


…しかし、先週何が一番悔しかったというと、WIN5を取り逃したこと。福島のスマートキャスターはピックアップしており、東京10Rのパストフォリアを挙げていれば…と悔やまれる。500万馬券は、デカ過ぎる獲物だった(泣)


さて、気を取り直し、今週から有馬記念まで、怒涛のGⅠ7連戦が行われる。まずは牝馬による古馬VS3歳馬の対決、エリザベス女王杯。ジェンティルドンナがジャパンカップにいくため、三冠レースすべてで2着と涙を飲んだヴィルシーナが、悲願のGⅠタイトルを獲れるかに注目は集まっている。ただ、個人的に注視しているのがこの馬。

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GⅠ7連戦の初っ端の予想をしっかり当て、弾みをつけたい。

週末編集長代理のレース回顧【天皇賞・秋】

朝方から降ったり止んだりを繰り返した雨は、レース前にはあがっていた。馬場も良馬場で行われ、この週からBコースに変わったとはいえ外差しも決まっており内、外の有利・不利がない馬場となっていた。


スタートは、内からネヴァブション、ルーラーシップ、ダークシャドウ、トランスワープ、トーセンジョーダン、マイネルスターリーら6頭が出遅れ。労せずハナに立ったのはやはりシルポートだった。さほど、出して行くこともなくカレンブラックヒルが2番手につけ、並んでダイワファルコン。やや離れて4番手にフェノーメノが続き、アーネストリー、ジャスタウェイ、トゥザグローリーらが中団。エイシンフラッシュ、ダークシャドウ、ルーラーシップは後方からの競馬となった。シルポートの1000メートル通過が57秒3。昨年の56秒5という超ハイラップには及ばないが、2年前の当レースが59秒1で毎日王冠が57秒8だから、マイペースで運んだといえる。ただ、2番手のカレンブラックヒルとは10馬身ほど差があり、また5馬身ほど後ろにフェノーメノがつけていたので、かなり縦長の隊列となった。


直線に入りシルポートのリードはまだ10馬身ほど。ただ、坂下あたりから脚色が鈍り始め、後続がドッと差を詰めてくる。カレンブラックヒルとダイワファルコンが馬体を併せて伸びてくるが、フェノーメノの脚色がよりいい。フェノーメノは残り150メートル地点でシルポートは捉えたが、そのとき最内のラチ沿いからグングン伸びてきたのがエイシンフラッシュ。一気に先頭に踊り出たエイシンフラッシュがそのまま抜け出し、追いすがるフェノーメノに2分の1馬身差をつけてトップでゴールした。3着には大外から追い込んだルーラーシップで、4着にダークシャドウ、5着にカレンブラックヒルと入線した。


勝ったエイシンフラッシュは、とにかくコース取りが抜群だった。6枠12番と外めの枠であるにもかかわらず、テンの3ハロン過ぎにはもう最内にまで進路を取り、そこからサダムパテックの後ろでジッと我慢。直後にいたナカヤマナイトは直線に入って外に持ち出したが、ここでもミルコ・デムーロ騎手は内々に固執。すると、前がパッカリ開いており、本人がいうところの「ビクトリーロード」が見えていた。あとはもう、馬を真っ直ぐ走らせビッシリ追うことのみ。その結果が、フェノーメノとの着差につながった。


また、シルポートが離して逃げていたとはいえ、2番手のカレンブラックヒルで恐らく2秒ほどの差。するとここで1000メートルが59秒くらいで、さらに離れたフェノーメノは1分くらいでの通過だったのではないか。その後ろにいた中団~後方馬群にしてみれば、これはスローペースといえた。エイシンフラッシュは、1000メートル通過が61秒6という超スローペースのダービーを勝っていた馬。流れ的にはこれと同じで、同馬の得意とする「瞬発力勝負」になったわけだ。自身の上がり3ハロンは33秒1で、ルーラーシップと並びメンバー最速の末脚だったのだから、数字がそれを物語っている。位置取り、コース取り、ペースがすべて噛み合っての勝利だった。また、パドックではいつもよく見せる馬ではあるが、この日は黒光りする馬体に張りも申し分なく、毎日王冠を叩いた上積みも十分あった。ダービー以来、2年5か月振りの勝利ではあったが、まだまだ衰えはない。息の長い活躍が期待できる。


2着のフェノーメノは、本当に運がない。蛯名騎手の仕掛けのタイミングもバッチリで、あとは突き抜けるだけだったが、敵は最内にいた。馬体が併さっていればまた違ったのだろうが、ゴール前50メートルのところでダービー時に見せたような右にヨレる面も覗かせていた。差が差だっただけに、惜しい敗戦だ。蛯名騎手より、たまたまもっと巧く運べた騎手がいただけで、力負けではなかった。パドックでも3歳馬らしからぬたたずまいで、二人引きの手綱を自ら引っ張るように気合いも十分。抜群の仕上がりだった。3歳にしてこのメンバー相手に勝ち負けしたのだから、やはり大したもの。次走はジャパンカップというが、オルフェーヴルやジェンティルドンナなどとの対決が非常に楽しみになった。


3着はルーラーシップ。上がり3ハロンはエイシンフラッシュと並んで最速だったが、スタート時の出遅れと位置取りが明暗を分けた。また、今回はプラス18キロの馬体で、デビュー以来最高馬体重の514キロ。パドックではやはり太く見えたし、気合い面でも物足りなく映ったのは確かだ。そのあたりが、スタートに影響したといえなくもない。それでも3着に追い上げてきたのは、やはり能力のなせるワザ。次はジャパンカップらしいので、こちらは当然上積みも大きい。天皇賞・秋以上に豪華な顔ぶれになりそうなジャパンカップ。非常に楽しみな1戦だが、予想は難解を極めそうだ(苦笑)。


4着にはダークシャドウが追い上げてきた。直線ではルーラーシップとジャスタウェイに挟まれる形で、ジワジワと伸びてきた。ただ、グンと加速する感じではなく、上位馬とはキレ味の面で見劣った。これが休み明けの分なのか、現時点での力の差なのか、この1戦だけでは判断しづらい。次走以降も、注目。


5着にはカレンブラックヒルが粘った。ただ、形としてはかなり厳しかった中での5着で、これは健闘といっていい。というのも、離して逃げるシルポートにも楽はさせられないし、すぐ後ろにフェノーメノ、後方集団にも強力な末脚を持つ馬がいるので、仕掛けのタイミングが難しかったのだ。秋山騎手は、ケヤキを過ぎたあたりの4コーナー手前から促していったが、ペースを考えればあれより遅らせて仕掛けるのはできなかったハズ。それでも、エイシンフラッシュが内からくると一緒になって脚を使い、得意の「二枚腰」は発揮できた。初の2000メートルで、この厳しい流れでの5着は評価に値する。まだキャリア6戦。マイル~中距離路線での活躍は、まだまだ見込める。


結果、5・1・2・4・3番人気の順で入戦し、人気馬が実力通りの走りを見せた1戦となった。これも、すべてシルポートのおかげ。ある程度速い流れになれば、実力馬が余すところなく能力を発揮できるので、非常に見応えのある締まったレースとなる。こういうレースが続けば、ファンは馬券を買う。秋華賞でのチェリーメドゥーサでの騎乗も含め、この秋は小牧騎手の手腕、ペース判断が好レースを演出している。功労賞を、送りたい。


さて、来週はGⅠの中休み。東京ではアルゼンチン共和国杯、京都ではダートの重賞・みやこSが組まれている。みやこSには5連勝中のローマンレジェンド、ハイレベルの3歳世代からハタノヴァンクールが出走予定で、この対決は非常に見もの。またアルゼンチン共和国杯でも、ギュスターヴクライやムスカテールなどなかなかの顔ぶれだが、個人的に注目したいのが前走スムーズさを欠いていたこの馬。

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ハンデ差も幅広いので、こちらも面白いレースとなりそうだ。

週末編集長代理のレース回顧【菊花賞】

有力馬の故障や回避で、重賞勝ち馬ですらゴールドシップとコスモオオゾラのみという、やや寂しいメンバーとなった今年の菊花賞。結果、単勝1、4倍とダントツの人気を集めたゴールドシップだったが、レースでもまさに「横綱相撲」で勝利。皐月賞、菊花賞の二冠馬となった。


まず注目のハナ争いは、ビービージャパンがあっさりと先手を奪えた。トリップ、フジマサエンペラーが次位で、コスモオオゾラとタガノビッグバンが好位勢。中団にマウントシャスタ、エタンダール、フェデラルホールなどが続き、行きたがるのをなだめながらベールドインパクトが後方馬群におり、スカイディグニティやユウキソルジャーもこの中。ゴールドシップはブービーからの追走で、スタートでやや出遅れたダノンジェラートが最後方からとなった。最初の1000メートルが60秒9と、平均ペースで流れた。

レースが動いたのは、向正面でちょうどビービージャパンが2000メートル地点を通過したあたりで、後方にいたゴールドシップが馬群の外に出しグングン進出開始。それに釣られるようにスカイディグニティ、ユウキソルジャーも追い上げ。マウントシャスタもこれを見て動き、マウントシャスタは4コーナー入り口で先頭に立った。ゴールドシップもその直後にまできて、直線へ。


早々にマウントシャスタは脱落し、ゴールドシップが先頭に。後続からは外からユウキソルジャー、ベールドインパクトが伸びてくるが、馬場の真ん中から脚を伸ばしたのがスカイディグニティ。ゴールドシップに必死に食らいつこうとするスカイディグニティだが、馬体はなかなか併さらない。それどころか、最後の50メートルでは逆に突き放され、ゴールドシップがそのまま先頭でゴール。1と4分の3馬身差でスカイディグニティが2着。以下、ユウキソルジャー、ベールドインパクトと続き、5着にはラニカイツヨシが追い上げてきて入線した。


はっきり「完勝」といえる内容で、個人的にはディープブリランテがもし出ていても、ゴールドシップが勝っていたように思う。というのも、そのスタミナが半端ではないから。勝ち時計の3分2秒9は、ソングオブウインドのレコードの3分2秒7、次位のオルフェーヴルの3分2秒8に次ぐ歴代3位のものだが、ここでこの3頭の1000メートルごとのラップタイムを見てもらいたい。


ソングオブウインド(上がり33秒5)
58秒7-63秒5-60秒5(レース上がり35秒6)

オルフェーヴル(上がり34秒6)
60秒6-62秒7-60秒1(レース上がり35秒1)

ゴールドシップ(上がり35秒9)
60秒9-61秒2-60秒8(レース上がり36秒1)


普通、長距離戦になると、いわゆる「中だるみ」というか、一度ペースがガクッと遅くなることが多い。上位タイムの中盤1000メートルの数字を見ればそれは歴然だろう。しかし、今年の菊花賞はその「中だるみ」がなく、かなりいいペースでビービージャパンは逃げていた(最初の1ハロン以外、すべて12秒6以下のラップタイムでいっていた)。それを、向正面からマクっていき、直線で早々と先頭に立ち押し切るのだから、持久力がないとこんな芸当はできないのがわかると思う。


ゴールドシップの上がりはメンバー最速のものだが、2番目に速い上がりは3着のユウキソルジャーの36秒0。ソングオブウインドのときは「ヨーイドン」の競馬で上がりの勝負になったが、今年は「消耗戦」。ディープブリランテは折り合いに難もあり、ダービー時も最後はかなり後続に差を詰め寄られていただけに、決してスタミナタイプの馬ではない。まぁ「タラレバ」をいっても仕方がないが、とにかくゴールドシップのこの勝利は時計や内容を見ても価値が高いということだ。有力馬の回避で「拾ってきた勝利」では、決してない。次走はジャパンカップか有馬記念とのことだが、古馬勢が相手でも十分通用すると思う。願わくば、次走はジャパンカップに決定したジェンティルドンナとともに、府中への参戦を待ちたい。


2着のスカイディグニティは、直線でユウキソルジャー、ベールドインパクトが追い出すところを、ひと呼吸置いてから鞍上のメンディザバルは促した。外からユウキソルジャーが並びかけると、内からグイッと伸びゴールドシップに追いすがった。二冠馬には届かなかったが、父ブライアンズタイムから受け継いだスタミナはさすがのひとこと。来年の天皇賞・春が大目標だそうだが、今回のような消耗戦になれば再度好走が期待できそうだ。


なお、メンディザバル騎手は、2周目の4コーナーの時点で右肩を脱臼していたそうだが、直線では右ムチを連発。馬もそれに応えたわけだが、この根性はすごい。今週末、騎乗するかわからないが、やはり「追える」ジョッキーだけに今後も注目。


3着のユウキソルジャーも、北海道の2600メートル戦を勝ってきたように「スタミナ型」。前走の神戸新聞杯は瞬発力勝負で4着に敗れたが、今回のようなペースになったのは歓迎だった。父のトーセンダンスはダンスインザダーク産駒で、やはり持久力を受け継いでいる。長距離戦なら侮れないだろう。


4着のベールドインパクトは、1周目のスタンド通過付近まで引っ掛かり気味。ゴールドシップやユウキソルジャーと一緒に向正面から上がっていったが、4コーナーで一番外を回されるロスもあり最後の3着争いに響いた格好。道中がスムーズなら、ひとつは着順が上がっていたかも。ただ、7頭出走していたディープインパクト産駒の中では最先着を果たした。


2番人気に推されていたマウントシャスタは、4コーナーで先頭に立ったが直線は失速。9着に終わった。神戸新聞杯時の「レース回顧」に少し書いたが、やはり本質はマイル~2000メートルまでの中距離馬なのだと思う。だから、自分の予想でも「抜け」としていた(けっこう、同馬がこない自信はあった)。今後、中距離路線に出走してきたときは改めて注目したい。


ちなみにだが、先日の「WIN5史上最低の払い戻し」となった7320円も、無事ヒットできこれで通算7度目の「WIN5」的中。配当的に褒められるものでは決してないが、一応ご報告まで。


さて、今週は、打って変わって豪華メンバーが集まった天皇賞・秋。快進撃が止まらない3歳勢か、それとも古馬勢か…。好レースになることは必至だが、個人的に注目しているのはこの馬。

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富士Sのヒット(馬連4990円)や「WIN5」の的中と、予想の調子もいいので、この波に乗り続けたい。

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