GⅠ、特にダービーでは黄色い声援があちらこちらで聞こえるのだが、今年は例年以上。アタシの前の女性など涙を流さんばかりの絶叫。表彰式の最中には感動に浸っている様子であった。テーブルに置かれた馬券を覗き見すると1・2・8・9・16の馬単ボックスと同じ買い目の3連複ボックス。お見事と惜しい。その横には2の単勝馬券。みんな武豊が好きなんだ、と思った今年のダービーだった。


その中で、行きつけにしている府中競馬正門前駅の門前居酒屋が5月末を持って閉店。アベノミクスは怪しい雲行きになってきたが、キズナノミクスで競馬人気が復活しないものか。アタシのダービー馬券。恥ずかしくて言えません。


閑話休題。安田記念は悩ましい馬が顔を揃えた。ロードカナロアは1600でも豪脚を使えるのか。カレンブラックヒルの復権はあるのか。昨年の結果を踏まえてか、京王杯SCは前哨戦仕様で臨んだサダムパテックの取捨。逆に休養明け一息だったグランプリボスはマイラーズCを勝ったことをどう見るか。すっかり安定株となったダイワマッジョーレは今回も信頼できるか。牡馬に通用するかヴィルシーナ。人気下落の3歳馬エーシントップなどなど。


ロードカナロアに関してはキングカメハメハに今や最強の母の父ストームキャットの配合ならマイルもこなせる血統。他の馬も血統を含め、勝ったら勝ったで驚きはしない。といって全部を買うわけにはいかないのが、馬券で儲ける難しさ。


妙味はダークシャドウ。父ダンスインザダークは菊花賞3勝のステイヤー血統だが、菊花賞以外のGⅠ馬になると安田記念のツルマルボーイだけ。加えてGⅠ以外の重賞も含めると東京芝1600では計4勝の成績を残している。


エンジンの吹き上がりが遅く不発も多いダンスインザダーク産駒ながら、そこそこの器用さも備えているダークシャドウ。例え内伸び馬場になったとしても巧く立ち回れるはず。それでも根っからのマイラーではないので、スローより淀みのない流れに越したことはない。幸いにシルポートが参戦。前2戦は逃げを打てなかっただけに、今度は何が何でも逃げるはず。そうしなければ、神は許しても客は許さないだろう。しかもハイペースでだ。昨年の安田記念は最初の1Fこそ12秒台だが、その後は10秒台を2回続けてから11秒台のラップを刻んでいる。


ダークシャドウの臨戦過程はツルマルボーイと同じ大阪杯を叩いてのもの。ツルマルボーイが制した時は6歳だった。鞍上は地方競馬出身の安藤。戸崎を背にするダークシャドウとツルマルボーイは父以外にも共通項が多い。


ツルマルボーイの安田記念は6番人気。ザッツザプレンティの菊花賞は5番人気。デルタブルース、スリーロールスの菊花賞はともに8番人気。たぶん、きっと人気が落ちるダークシャドウもここは絶好の買い場とみた。


逃げるシルポート。これを交わしに行くヴィルシーナとエーシントップ。前走まで2頭の手綱を取っていた内田が黙っているはずがなく、早めに動くグランプリボス。乱ペースは必至。ダンスインザダーク産駒のズドンが炸裂する。


あとはショウナンマイティが気になる存在。使える脚こそ短いように思えるが、リボー系アレッジド4×3のクロスを持つだけに、大一番では怖い。


 
◎加藤栄…1956年、東京生まれ。頻繁に海外の競馬場を訪れ、幾多の大レース、そして名馬を実際に観戦して、というより現場で馬券を買う体験から執筆される原稿には定評がある。雑誌の連載も多数。(「田端到・加藤栄の種牡馬事典」より)



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新・血統論は今回が最終回となります。ご愛読ありがとうございました。