田端到・加藤栄の種牡馬事典 2013-2014
田端到・加藤栄の種牡馬事典 2013-2014・絶賛発売中!!


天皇賞・春はゴールドシップの1強ムードで、馬券的な興味をそそられない。ならばと青葉賞の登録馬に目を向けてみると、こちらは波乱含みで面白そうだ。


まず気になるのはレッドレイヴン。東京スポーツ杯2歳Sでコディーノの2着に来て以来、ここが5ヶ月ぶりの実戦になる。


父スマートストライクはミスタープロスペクター直子。代表産駒に03年のジャパンCダートでアドマイヤドンを負かしたフリートストリートダンサー、09年の共同通信杯でトーセンジョーダンを差し切ったブレイクランアウトなど。また、最近は母の父としてストロングリターン(安田記念)、レッドオーヴァル(桜花賞2着)の兄妹を送り、あらためて注目度が高まっている血統だ。


母ワンダーアゲインはグラスワンダーの全妹で米国のG1を2勝。


こうしてスマートストライクの代表馬を並べるとマイラー中心で、2400mを走れるのか不安もありそうだが、米国での代表産駒には中距離G1を7勝の王者カーリンや、BCターフ連覇のイングリッシュチャンネルなど2000~2400級の名馬が多く、距離面の不安はない。レッドオーヴァルのオークスもたぶん心配ないだろう。


とはいえ、青葉賞は過去10年中、サンデーサイレンス系が8勝、ロベルト系が2勝という、偏った傾向の出ている重賞。ここで5ヶ月ぶりの休み明けとなるミスプロ系の人気馬を喜んで買うかといえば、個人的にはNOである。


購入欲をそそられるのは、アルヴェロン、ダービーフィズ、ヒラボクディープあたり。


ダービーフィズは父ジャングルポケット、母がマンハッタンカフェの全妹という、いかにも距離延びて良さそうなステイヤー。


全姉アプリコットフィズも早い時期から東京の重賞を勝っている。姉ほどの軽さはなく、もっさりしたところがあるから、一瞬の脚の勝負になると信頼は置けないが、押して押して伸びるタイプだ。


ヒラボクディープは父ディープインパクト、母父ストームキャット。桜花賞を勝ったアユサンと同じ組み合わせで、生産者も同じ下河辺牧場。牝系は種牡馬ヘネシーやエディターズノートと同じ。


ディープ産駒ではおそらくサトノノブレスのほうが人気を集めるだろうが、「ディープ×トニービンの配合馬はハマるツボが狭く、人気馬は危なっかしい」という話は以前にも書いた通りである。サトノノブレスにも注意を払いつつ、ここは母父トニービンより加速が速い母父ストームキャットを上に見たい。


そしてもっとも気になるのがアルヴェロン。すでに東京芝2400のゆりかもめ賞を制している馬なのに、どうやら事前の気配では人気になりそうもない。


若葉Sの惨敗が響いているのだろうが、父ダイワメジャーの血統も少なからず影響しているように思われる。「ダイワメジャー産駒が芝2400の重賞で走れるのか?」という距離不安の先入観だ。


しかし牡馬に限ると、ダイワメジャー産駒はデビュー当初のイメージよりもずっと長めの距離で好成績を残している。

●ダイワメジャー牡馬、芝2400以上の人気薄好走例
 メイショウカドマツ……ダイヤモンドS3着(6番人気)
 タムロトップステイ……アザレア賞1着(5番人気)
 ヤマニンファラオ……ゆきやなぎ賞1着(5番人気)
 アルヴェロン……ゆりかもめ賞1着(8番人気)



 逆にこんなデータもある。得意と思われている短距離スピード競馬の現状だ。


●ダイワメジャー牡馬、芝1200の1番人気成績(準オープン以上)
 オリービン……春雷S、1番人気16着
 ジョーオリオン……船橋S、1番人気10着
 ジョーオリオン……アクアマリンS、1番人気5着



この通り、ダイワメジャー牡馬は芝1200のほうがよっぽどズッコケ気味で、ちゃんと母系にスタミナの裏付けがある馬さえ選べば、芝2400以上でおいしい馬券を提供してくれるのである。


アルヴェロンの母父はエルナンド。ジャパンCに2度来日し、94年4着、95年3着と、好勝負したニジンスキー系のステイヤーだった。これなら十分、東京芝2400mでも走れる。穴に狙いたい。

◎田端到…1962年新潟県生まれ。血統馬券の第一人者として、血統の解釈とその実践的アプローチに革命をもたらした。『田端到・加藤栄の種牡馬事典』 の執筆やサラブレ誌上の「金満血統王国」での活躍はあまりにも有名。軽妙な文章にも定評があり、ファンが多い。



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