田端到・加藤栄の種牡馬事典 2013-2014
田端到・加藤栄の種牡馬事典 2013-2014・絶賛発売中!!


フェアリーSをロサード産駒のクラウンロゼが制してから始まったサンデーサイレンス系大部屋種牡馬の躍進。ダービー卿チャレンジトロフィーもゴールドヘイローが勝って年度末を締めた。


1月から3月末までの重賞は39鞍。5勝のディープインパクト、4勝のハーツクライと、SS系主役級種牡馬が上位を占めているが、SS系大部屋種牡馬の勝ち鞍を合わせれば8勝。束になってかかれば、太刀打ちできる成績を残している。


桜花賞にもSS系大部屋種牡馬からは先のクラウンロゼ、スズカマンボがメイショウマンボ、アドマイヤジャパンがシーブリーズライフを送り込んでくる。室田日出男、川谷拓三、志賀勝の揃い踏みといったところか。なんのこっちゃ。返す返すもオンファイア産駒のウキヨノカゼの回避は残念だ。


対してSS系主役級種牡馬はディープインパクト産駒のレッドオーヴァル、アユサン、ハーツクライ産駒のコレクターアイテム、ネオユニヴァース産駒のトーセンソレイユらが迎え撃つ。レッドオーヴァルの前走は展開負け。人気を落とすようなら馬券的に妙味はあるが。アユサンは毎日杯を楽勝したキズナと同じく母の父がストームキャット。素質は高い。コレクターアイテムはハーツクライ産駒らしく、ストライクゾーンこそ狭いが、はまれば一発がある。トーセンソレイユは半兄にディープインパクト。


SS系主役級種牡馬の産駒は強力ながら、父系だけでなく、全体の血統を見ると太刀打ち十分。


まず、メイショウマンボ。リボーを勝負血統としている者にとって狙わずにはいられない。父スズカマンボの母スプリングマンボはリボー系グロースターク5×4のクロスを持つ。母の父グラスワンダーの3代目にはグロースタークの全弟ヒズマジェスティ。さらには祖母メイショウアヤメの母の父ミルジョージにもリボー系ラグーサが入る。メイショウマンボ自身にはリボー系が見え隠れする程度の薄さだが、その奥に潜むリボーが大一番で黙ってはいない、との読みだ。ちなみにダービー卿チャレンジトロフィーのトウケイヘイローの母の父はミルジョージ。SS系大部屋種牡馬の配合には泥臭い血統を持つ牝馬が合う。


クラウンロゼも母にミルリーフ×リボーというミルジョージと似るサウスアトランティックが入る。母の父ヒシアケボノが大一番になると心許ないが、ディープインパクト産駒のジェンティルドンナ、ディープブリランテにあるリファールのクロスをクラウンロゼも3×5で持つ。ここに期待。


シーブリーズライフはヘイロー、カーリアンのそれぞれ3×4のクロス。強めのクロスは時として爆発力を生む。ハエがとまるほどのスローから上がりの勝負で出番か。


と、書いてきたが、阪神ジュベナイルフィリーズと同じローブティサージュ、クロフネサプライズの非SS系で決まったら笑って下さい。それよりもメイショウマンボが1番人気になるかが心配。血統、鞍上ともども本命という柄じゃない。


牝馬クラシックついでにもうひとつ。3月31日の未勝利戦を初出走ながら経験馬相手に勝ったジェラテリアバールはオークス候補にどうだ。3~4コーナーで手綱が動く牝馬らしからぬズブさを見せながら、坂下からしっかりと伸びるところに潜在能力の高さを感じた。母は底力のある欧州血統を豊富に持つ。

◎加藤栄…1956年、東京生まれ。頻繁に海外の競馬場を訪れ、幾多の大レース、そして名馬を実際に観戦して、というより現場で馬券を買う体験から執筆される原稿には定評がある。雑誌の連載も多数。(「田端到・加藤栄の種牡馬事典」より)



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